書籍名:わかったつもり 読解力がつかない本当の原因
著者:西林克彦
出版社:光文社新書
発売年:2005年
■ 書籍の概要
『わかったつもり』は、読書や勉強、コミュニケーションにおいて「内容を理解したつもりになっているだけ」の危険性を指摘し、真の「読解力」を鍛えるための方法を提示する一冊です。著者の西林克彦氏は、心理学・認知科学の観点から、人がいかにして誤った理解に陥るのかを明らかにしています。
■ わかりやすい要約
本書の核心は、私たちが文章や話を理解した「つもり」になってしまう認知的な錯覚にあります。特に学校教育や日常の読書では、表面的なキーワードの認識や、自分の先入観に合った解釈をしてしまいがちです。これは以下のような点に表れます。
- キーワード依存の理解:単語だけで意味を捉えてしまい、文脈を無視する。
- 背景知識の誤用:自分の知識で補完しすぎ、実際の内容とズレる。
- 再構成の怠慢:自分の言葉に言い換えないため、誤解を見逃す。
西林氏はこのような「わかったつもり」状態を脱するには、能動的な理解、つまり「自分の言葉で説明する」「疑問を持つ」「対話する」ことが重要だと説きます。
■ 読後の感想と気づき
本書を通じて、私自身も「理解したつもり」で読書や仕事に取り組んでいた場面を数多く思い出しました。特に印象的だったのは、「難しい文章ほど、わかった気になりやすい」という指摘です。複雑な概念や抽象的な表現は、曖昧なまま受け入れてしまいがち。これは非常に危険であり、正確な読解力がないと、学びも仕事も表面的になってしまうと痛感しました。
また、子どもや部下の教育にも応用できる内容で、「説明させること」「問いを投げかけること」の重要性を再認識しました。自分の理解が本物かどうかは、アウトプットして初めて確認できるのです。
■ この本の活用法・おすすめの読み方
- 教育関係者:子どもの読解力を伸ばす指導に活用できます。
- ビジネスパーソン:会議資料や報告書の「読み違い」を防ぐ意識づけに。
- 読書家・学習者:本の理解を深める読み直しや要約習慣のきっかけに。
読み終えたら、ぜひ「わかったつもり」になっている部分がないか、別の人に説明してみることをおすすめします。その瞬間、真の理解度が試されるでしょう。
■ 読書のメリットと実践提案
この本は、単なる「読解力強化本」ではなく、自分の思考と向き合うトレーニング書です。読解力はすべての学びの土台であり、仕事の質・人間関係の深さにも影響します。誤解や浅い理解を減らすことで、より深く、誠実に他者とつながれるようになります。
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「読めているつもり」が一番の落とし穴。この本を読むことで、読み方・理解のしかたが根本から変わります。次に読む本、次に聞く話の「受け止め方」がきっと深くなる。ぜひ一度、立ち止まって“読む”ことと向き合ってみてください。