『いまあなたに必要なのは答えじゃない。問いの力だ。』要約・感想|ビジネスを変える“問い”の技術
こんにちは、「知識で稼ぐ読書部屋」ちかどろです!
今回ご紹介するのは、TOC(制約理論)をベースにした思考法を広める実践家・岸良裕司さんによる一冊、『いまあなたに必要なのは答えじゃない。問いの力だ。』です。
仕事の停滞、チームのもやもや、意思決定の迷い…そんなビジネス現場の「詰まり」を突破するカギが、「答え」ではなく「問い」にあると本書は語ります。
書籍情報
- 書籍名:いまあなたに必要なのは答えじゃない。問いの力だ。
- 著者:岸良裕司
- 出版社:Independently published
- 発売日:2023年2月21日
- ページ数:143ページ
- ISBN-13:979-8369854037
1. 要約|ビジネスに活きる「問いの力」4つのポイント
① 「質問」こそが思考を深める起点になる
人は誰しも、与えられた問いに対して答えを出そうとする性質を持っています。つまり、良い問いは自動的に思考を深めるトリガーになるのです。
会議や1on1において、答えを押し付けるのではなく「問いかけること」で、相手の思考や感情に火をつけることができるのです。
② 「本当に解くべき問題」は、しばしば見誤られている
私たちは表面の問題に振り回されがちですが、実際には「根本的な制約=ボトルネック」にこそ目を向けるべきです。
そのためには、問題の本質を見抜く“問い”を立てることが必要であり、それこそがTOC(制約理論)の核心でもあります。
③ 「問い」は組織の見えない壁を壊す
部下が黙っている、チームがバラバラ…そんなときこそ「なぜ、みんなが声を出さないのか?」という問いが組織の壁を壊します。
問いは、関係性を再構築する対話の起点であり、上下関係やセクショナリズムを超える力があります。
④ 正解よりも、“未来を変える問い”を
VUCA時代において、過去の延長線上に正解はありません。だからこそ、「どうすれば本質的な価値を生めるのか?」という未来志向の問いこそが重要になります。
問いは、チームやプロジェクトの方向性すら変える「羅針盤」になりうるのです。
2. 読後の感想|「問い直す力」が仕事を変える
本書を読み、「答えを探すより、問いを立て直すことができる人が、チームを導く時代」だと強く感じました。
特に印象的だったのは、「“質問の質”が、その人の思考の質を決める」という一節。これは、リーダーやマネージャーだけでなく、すべてのビジネスパーソンに必要な視点です。
今後、自分自身が「答える立場」になる場面でこそ、「問いを投げかけ直す」という姿勢を大切にしていきたいと思いました。
3. ビジネスでの活用法|“問い”は最強のマネジメントツール
- プロジェクトでの行き詰まり時に、「本当にボトルネックは何か?」と問い直す
- 1on1で、部下の成長を促す「なぜ?」や「どうしたら?」という対話
- リーダーとして、答えを示す前に「相手が気づく問い」を仕込む
- イノベーションに向け、「今のままでいいのか?」という挑戦的な問いをチームに投げる
問いを使える人は、問題解決力・関係構築力・組織推進力を同時に高められます。
4. まとめ|“問い直す”ことが、変化を起こす第一歩
『いまあなたに必要なのは答えじゃない。問いの力だ。』は、ただの自己啓発ではありません。ビジネスの現場でこそ活きる「問いの技術」を実践的に教えてくれる一冊です。
変化の激しい時代に、正解を求めても意味がない――だからこそ、「問い直す力」が、あなた自身やチームを変える起点になります。
あなたのビジネスに、いま必要なのは「答え」ではなく、“未来をつくる問い”かもしれません。