はじめに:「知識で稼ぐ読書部屋」と賢者の投資術
「知識で稼ぐ読書部屋」では、資産形成やお金の知識を高める本を紹介しています。今回取り上げるのは、インデックス投資の第一人者・水瀬ケンイチ氏の最新作『彼はそれを「賢者の投資術」と言った』です。
著者は長期・分散・低コストを信条とし、個人投資家として20年以上の実績を持つ人物。本書はその投資哲学を初心者にもわかりやすく解説し、「オルカン(全世界株インデックスファンド)」を中心とした実践的な資産形成方法を提示します。
インデックス投資は、長期・分散・低コストを軸に「市場平均」を取りにいく投資法として、多くの投資家に支持されています。しかし、ただ理論を知っているだけでは長期的に続けられません。今回ご紹介するのは、日本のインデックス投資界のパイオニア・水瀬ケンイチ氏の著書『賢者の投資術』。23年にわたる実践経験を背景に、なぜインデックス投資が「賢者の投資術」なのかを紐解きます。
書籍概要
- 書籍名:彼はそれを「賢者の投資術」と言った
- 著者:水瀬ケンイチ
- 出版社:Gakken
- 発売日:2025年8月7日
- ページ数:256ページ
- ISBN-10:4054070523
- ISBN-13:978-4054070523
机上の空論を超える23年の実践知
- 経験談が主軸:多くの投資本は統計や名言に終始しますが、本書は著者自身の体験がベース。
- 真の暴落体験:2008年リーマンショックという「本物の暴落」をインデックス投資家として乗り越えた希少な事例。
- 精神的安定:暴落時に狼狽せず淡々と積み立てを続けるためのメンタル形成法が具体的。
独自視点:現代の多くの著者はコロナショックのみの経験で語ります。だからこそ、「真の暴落体験談」には今後ますます価値が高まります。
インデックス投資の「最強さ」TOP3
1. 圧倒的な時間短縮効果
個別株分析は、言わば「洗濯板で服を洗う」ようなもの。インデックス投資は「洗濯機」のように、0.11%の低コストで資産運用を丸ごと外注できます。
独自視点:この時間短縮は、FIRE志向の人にとって「資産運用よりも人生設計に時間を割ける」ことを意味します。
2. コスト低下と税制優遇の相乗効果
オルカンの経費率は0.11%、新NISAやiDeCoの非課税枠拡大で運用益をほぼ丸ごと残せます。
独自視点:コスト低下は限界に近く、これからは「どう非課税枠を使い切るか」という順番設計が差を生む時代に。
3. 仲間の存在
同じファンドに投資している仲間の存在は精神的支えになり、長期保有の握力を高めます。
独自視点:SNS時代はリアルな投資仲間だけでなく、X(旧Twitter)やYouTubeでの間接的交流も大きな支えに。
「足るを知る」投資姿勢の真価
- 低コスト+非課税枠の恩恵を当然と思わず感謝する
- 市場平均のリターンで満足し、余計なリスクを追わない
独自視点:途中で方針を変えて失敗する投資家の多くは、「足るを知れない」ことが原因。成功者は投資ルールの固定化に成功しています。
現代投資家が取るべき3つの行動
- 暴落シミュレーション:過去チャート+体験談で想像力を鍛える
- 制度の最大活用:新NISA・iDeCoの埋め方を計画
- 仲間との繋がり:孤独な投資を避ける
まとめ
『賢者の投資術』は、商品選びのノウハウ本というよりも、「投資を続けられる環境設定法」を教える一冊です。続けられる環境こそが、資産形成の成否を分けます。恵まれた現代の投資環境をどう活かすか。そのヒントが、この本には詰まっています。