はじめに:「知識で稼ぐ読書部屋」と“付加価値”
「知識で稼ぐ読書部屋」では、仕事や人生に“価値”をもたらす本を紹介しています。今回は、キーエンス出身の著者・田尻望氏による『付加価値のつくりかた』を取り上げます。
営業、企画、マネジメント、マーケティング──すべての仕事に共通する「成果を出すための本質」が、極めてシンプルかつ体系的にまとめられています。
書籍概要
- 書籍名:付加価値のつくりかた
- 著者:田尻 望
- 出版社:かんき出版
- 発売日:2022年11月9日
- ページ数:256ページ
- ISBN-10:4761276363
- ISBN-13:978-4761276362
要約:「付加価値」の正体と、ビジネスでの使い方
1.付加価値とは「相手が喜ぶ変化量」
本書で定義される「付加価値」は、価格や機能ではなく、お客様がどれだけ良い変化を得られるか。つまり、“自分ではどうにもならない”と感じていた問題を、あなたの提案や行動によって変化させることが真の価値なのです。
2.「相手の困りごと×影響の大きさ×実現のしやすさ」で考える
キーエンス式の現場力が反映された思考法です。「何を課題としているか」「それはどれだけの影響があるか」「どう解決できるか」を整理し、再現性のある提案に落とし込むステップが紹介されています。
3.付加価値の3分類:「問題解決型」「機能提供型」「気づき提供型」
価値にはレベルがあり、「困りごとの解消」だけでなく、「やるべきことに気づいてもらう(気づきの提供)」まで踏み込むと、顧客満足度も成果も劇的に変わります。
4.価値を最大化する「構造の見える化」
抽象的な課題を可視化し、誰に・どのように貢献するかを構造で捉えることで、チーム内での共有や再現も容易になります。「説明できる思考」が、結果を生む武器になります。
読後の感想:「がんばっても報われない」の理由が言語化された
一生懸命働いているのに、なぜ評価されないのか?この問いに対して、本書は「あなたが提供している価値が相手に届いていない」からだと明確に答えてくれます。
“自分の努力”が空回りしていた理由が、まさに「相手視点」「変化量」「構造」で整理される感覚。読みながら、自分の仕事を見直したくなりました。
この本の活用法・メリット
- 提案力・営業力を上げたい人に:価値の伝え方が変わる
- 企画職・マーケターに:価値設計のフレームが手に入る
- 経営者・マネージャーに:チームの方向性が言語化できる
- 「何が成果なのか」で悩むすべての人に:判断軸が手に入る
まとめ:価値は「つくる」ものであり、鍛えられる
『付加価値のつくりかた』は、単なる考え方ではなく、「価値を生み出す力は鍛えられる」というメッセージを届けてくれる一冊です。
どんな職種でも、「誰かに必要とされる存在」であり続けたいなら、この本を何度も読み返して、自分の仕事を再設計してみてください。