20代でリタイア!? 『FIRE 最強の早期リタイア術』が教える、人生を自由にするお金の哲学

書評 感想

【書籍概要&要約】

『FIRE 最強の早期リタイア術』は、中国からの移民で極貧の家庭に育ったクリスティー・シェンとその夫ブライス・リャンが、30代で1億円以上を貯めて早期リタイア(FIRE)を実現したノンフィクション&実践書です。FIREとはFinancial Independence, Retire Early(経済的自立と早期退職)の略で、特に北米を中心に人気を博したムーブメントです。

本書では、単なる「節約術」や「投資法」だけでなく、お金と人生の価値観そのものを再定義するような深い思想が展開されます。特に印象的なのは、以下の5つの柱です。

  1. 浪費をやめて「支出」に意識を向ける
     →「いくら稼ぐか」より「いくら使うか」のほうが重要。支出が少なければ必要な資産も減り、FIRE達成が早まる。
  2. お金の「寿命」を計算せよ
     →自分が持っているお金が何年生きられるかを明確にする「年単位の生活費×25年=FIRE目標額」。
  3. 投資による資産形成
     →ETFなどインデックス投資を活用。派手な売買はせず、長期的な資産運用を重視。
  4. 仕事中心の人生からの脱却
     →FIREは「働かないこと」ではなく、「好きなことを自由に選べる状態」のこと。自分の時間を取り戻す手段。
  5. 世界を旅しながら支出を最適化
     →リタイア後は物価の安い国で生活し、生活費を圧縮しながら自由に暮らす「地理的アービトラージ」を実践。

【感想・学び】

この本の真髄は、「自由に生きるために、お金に支配されず、お金を使いこなす」ことです。日本では「FIRE=極端な節約や我慢の人生」という誤解も多いですが、本書はそれを否定し、自分にとっての“ちょうどいい生き方”を見つけることがFIREの本質だと教えてくれます。

特に感銘を受けたのは、著者が「お金=安心感と自由を得るツール」と語っていた点。これは投資や節約のテクニックを超えた人生哲学です。今の仕事や生活に違和感がある人にとって、FIREは単なる夢物語ではなく、手を伸ばせば届く「選択肢」だと気づかされました。


【こんな人におすすめ】

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