📝書籍概要
『良い戦略 悪い戦略(Good Strategy Bad Strategy)』は、UCLA経営大学院教授リチャード・ルメルトによる戦略論の名著。
表面的な「目標の羅列」や「スローガン」は“戦略”ではないと断じ、本質的な戦略とは何かを解説しています。
特に、「悪い戦略」はなぜ蔓延し、「良い戦略」はどう築くべきかを、豊富な実例を交えて論理的かつ明快に提示しているのが特徴です。
🔍要約:良い戦略 vs 悪い戦略
✅ 良い戦略の3つの要素「カーネル(核)」
- 診断(Diagnosis)
問題の本質を的確に捉える - 基本方針(Guiding Policy)
解決に向けた明確な方向性を示す - 首尾一貫した行動(Coherent Actions)
基本方針に基づいた具体的なアクションを実行
❌ 悪い戦略の4つの特徴
- 空疎なスローガンの羅列:「変革を推進する」などの抽象的な表現
- 戦略と目標の混同:「売上を2倍にする」は単なる願望
- 重大な問題の回避:根本課題から目を背けている
- 願望に過ぎない戦略:「業界のリーダーになる」では戦略とは言えない
💡感想と学び
戦略という言葉はビジネスの世界で日常的に使われますが、多くの場合それは“戦略”ではなく“願望”や“目標”であることを、この本は鋭く指摘しています。
特に印象的だったのは「診断」の重要性です。戦略の出発点は、「何が本当の問題か?」を正しく見抜くこと。ここがズレてしまうと、どんな立派な計画も無意味になります。
また、戦略とは「賢く資源を集中すること」だと述べており、無限の選択肢の中から“勝てる一点”に絞る胆力と分析力が必要なのだと痛感しました。
この本は、「戦略とは何か」が曖昧な経営者、マネージャー、ビジネスパーソンにとって“戦略思考”の基礎を鍛えるバイブル的存在だと感じます。
👤こんな人におすすめ
- 経営者・起業家
- 戦略立案に携わるビジネスパーソン
- 「戦略」という言葉の本質を学びたい人
- 目標設定と戦略の違いに悩むリーダー